長澤利枝氏は、福島県南相馬市在住の環境カウンセラーで、環境カウンセラー全国連合会(ECU)の元副理事長、福島県環境カウンセラー協会元会長です。ECUでは、現地からの環境カウンセラーのレポートは大変貴重であると判断し、レポートを公開することにいたしました。なお、レポートの内容はあくまでも長澤氏個人の見解を反映したものであり、ECUの見解ではありません。「忘れないこと」の大切さを共有していただければ幸いです。
福島県南相馬市から皆様方へ
2011年3月11日午後2時46分『東日本大震災』が起りました。
原発事故で、南相馬市は3つの区域に分断されました。コンパスで測るように20㎞圏内・20㎞圏外・30㎞圏外です。ここから市民の苦難が始まりました。
2018年1月11日は、震災から6年10か月の日です。
この歳月は、分断された市民が当時の苦悩を背負い続け、今尚,下すことの難しさに直面しています。
家族がばらばらになった。損害賠償問題が人間関係を壊してしまった。荒廃した集落に戻らないと決めた人々。高齢者だけの居住。このような状況が複層的に絡み合っています。
そして、分断された三つの区域の課題は、復興・復旧にも影を射しています。
まもなく7年になります。私たち南相馬市民は、『震災・原発事故』で背負った荷物を下ろすために、心一つにして小高区・原町区・鹿島区の分断を除く、粘り強い相互理解を進めなくてはならないと考えています。
忘れないで 福島!
NPO法人 福島環境カウンセラー協会 長澤 利枝