北上宣言
環境カウンセラー制度改革提言のための
ブロック意見交換会
北上宣言
わたしたち環境カウンセラー全国連合会関東Bブロック協議会の環境カウンセラーは、変化する世界情勢や多様化する環境カウンセリングへのニーズに対応し、将来に亘って地域や事業者などあらゆる主体から期待される、有用な環境専門家、コーディネーター、仲介者などであり続けるために、以下の提言を行うとともにできることから行動に移していくことを宣言する。
「減らさない」工夫と「増やす」工夫の両立を!
1.既存の登録者の目減りを防止しよう
環境カウンセラー登録者が毎年約200人減少していることについては、事実として受け入れざるを得ないのであるが、その原因を確かめることは必要である。
わたしたちにその正確なデータはないのであるが、経験的に気づくことがある。
それは「うっかりミス」による登録の失効である。このことは全国で聞く。
したがって、登録を辞める明確な意思、理由がないままに登録を失効する環境カウンセラーは全国で相当数に上ると推察される。
毎年の報告、3年ごとの更新手続きを「うっかり忘れる」登録者が「常に」一定数存在することは紛れもない事実であり、これを本人の自己責任として一律に切り捨てるか、このような目減りを防止しようとするかで登録者の減少数に大きなちがいがでてくるだろう。
わたしたちは後者についての対策を提案する。
(事前通知と救済措置)
報告書提出期限、更新申請書提出期限の以前に全国事務局からメール、はがき等で期限を順守するための事前通知を出すことによって、注意を喚起することができる。
また、それでも、期限を過ぎてしまった登録者には一定の猶予期間を与えるルールを創設する。
このことにより、全国事務局の事務量は増大するが、社会通念上過大な事務内容であるとは思えない。むしろ、全国事務局の役割として、登録者を適正に維持管理する上で必要な事務であると考える。
2.新規登録者の獲得を戦略的に実施しよう
(数値目標)
たとえば、平成28年度の募集以降、毎年200人ずつの増加に転じて、5年後にはこれまでの1000人減少を元に戻すというのが、絶滅回避シナリオの数値目標として考えられる。仮に合格率を40%、毎年の減少者数を200人、増加数を200人とすると、実際の登録者数は400人必要であるから、応募者数は全国で1000人必要であることになる。
すると、ECU加盟団体がおのおの約30人の登録支援を目標にすることも考えられる。
(登録者の属性をとらえる)
年代別では、定年退職者、在職者では定年退職予備軍、会社役員、自由業者などに対象を分けて、それぞれに訴えかける募集広告を作成することが考えられる。
(企業・団体への働きかけ)
企業内で募集してもらえるような仕組みをつくる。
各種の資格者団体内で募集してもらえるような仕組みをつくる。
3.ニーズをアピールしよう
登録者の募集に当たっては、環境カウンセラーへの社会的ニーズがあることを十分にアピールすることを並行して行わなければならない。社会貢献で得る何らかの「メリット」を提示できなければ、そもそも応募意欲がわかないであろう。
(具体的な事業、活動の提示)
具体的な事業名、活動名を提示する必要がある。
(具体的な事業、活動を実施する力量向上のための専門研修)
現在の研修は初回以外任意参加で、無料である。環境カウンセラー全般を対象とするためには、これは今後も継続することが望ましい。
今後はこの研修に加えて、個別具体的な事業、活動に対応した専門研修を実施することを提案する。この場合、「受益者負担」が考えられるので、有料とすることが適当である。
この有料・専門研修を環境カウンセラーのメインの研修として位置づけることにより、専門的力量の保有を社会的に証明・保証できるので、研修を受けた環境カウンセラーの活動が促進される。
付帯意見
1)全国事務局は環境カウンセラーに「好意的」に接するべきである。
2)「報告書」の「地域事務局」は内容について評価できるだけの情報が提示されていないので、可否を問われてもここでは判断できない。
3)法律、条例、その他の公的文書に「環境カウンセラーを積極的に活用すること」の文言を盛り込むように働きかける。
4)環境カウンセラー個人で受注できない業務について、共同で受注できる方式を開発する。
5)地方自治体の環境審議会等の委員として、環境カウンセラーを活用するよう働きかける。
6)環境カウンセラー団体は、市民部門の赤字を事業者部門の収益で補填することで経営が成立している、との通説があるが、今後は、事業者部門、市民部門という分類を越えて、環境カウンセラーの活動全般において、なんらかの「見返り」があるような、団体活動の新しい「経営モデル」を創出しなければならない。これによって団体の成長力を高める必要がある。
7)環境カウンセラーの合格率は以前より、低くなっているが、意図的なものと誤解されないために、論文、面接の審査基準を「ある程度」明確にすべきである。
8)環境カウンセラーはオールマイティをめざす必要はなく、例えば環境教育等促進法にあるような環境における事象間の「つながり」を重視する「新しい専門性」を目指すべきである。
以上
平成27年8月29日
特定非営利活動法人 環境カウンセラー全国連合会
理事長兼東北ブロック協議会長 佐々木 進市
(内容確認)
特定非営利活動法人 岩手県環境カウンセラー協議会 理事長 林 俊春